ID-POS活用:マーケティングでクラスター分析を活用するには?

株式会社光翼(ミツバ)は、インドに日本法人の子会社として、インド現地法人の設立を進めております。

前回のブログ「プルータス スマート(Plutus Smart)その2ー Pine Labs Developer」で、インドのPOSデバイスのスタートアップである Pine Labs 社開発者向けサイト の情報を読み解いて、POS情報に顧客情報が紐づいて、オンラインマーケテイング機能の実装ができることがわかりました。

今回は、「POS」に「ID」=顧客IDが紐づいたデータが「ID-POS」と呼ばれますが、その「ID-POS」のデータを活用し、クラスター分析にかけ、マーケティングで活用する方法について、考察します。

マーケティングでクラスター分析を活用するには?

マーケティングにおけるクラスター分析の目的は、一般に顧客を正しくクラスターに分けて、それぞれのニーズ、嗜好に合わせたマーケティング施策を提供することです。

顧客をどう定義するかは、実は単純ではなく、自分の想像のおよばない共通項で一つの顧客グループがある可能性はあります。そのような新しい顧客層を見つけるのに、クラスター分析は有効です。

具体例1:顧客の行動パターンをクラスター分析

オンライン上では顧客の顔は見えませんが、閲覧回数や頻度、購入している製品・サービス、閲覧するページなどさまざまなデータがあります。そして、類似した行動をとる人たちが存在します。

たとえば、非階層クラスター分析のK-means手法を活用すれば、以下のような顧客の行動パターンで顧客をクラスタリングすることができます。年齢や性別などの属性バイアスに捕らわれない新たな顧客層を発見できる分析手法です。

  • 顧客の閲覧行動
  • 顧客の出現頻度、頻度、金銭的価値
  • 顧客が購入した商品
  • オフラインでの顧客行動
  • 製品の使用例
  • キーワードの順位
  • 難易度スコア

(出典:improvado.io/blog

具体例3:クラスター分析で市場をセグメント

(出典:clusteranalysis4marketing.com/

米国のマーケティング関連サイトClusteranalysis4marketing.では、無料のクラスター分析Excelテンプレートを用いてサンプルデータで分析する手法を公開しています。

サンプルデータのマーケティング変数は以下の4つです。

  • 顧客のロイヤルティ
  • 広告認知度
  • 製品使用のレベル(ヘビー)
  • 製品の使用レベル(ライト)

結論として、以下のセグメントが導きだされています。

  • セグメント1:平均以上のロイヤルティを持つ。販売促進には敏感なものの広告はほぼ認識していない層。
  • セグメント2:製品・サービスの使用率が低い。販売促進によって購入の動機付けが高まるようなロイヤルティがほとんどない層。
  • セグメント3:ロイヤルティと製品・サービスの使用レベルは平均以上。広告認知度や販売促進策への反応は平均以下。長期的なロイヤルティが期待できない層。
  • セグメント4:ロイヤルティと製品・サービスの使用レベルは平均程度。広告を認識している。広告によって使用量が影響を受ける可能性がある層。

このマーケティング変数を変えることで、さまざまな分析結果が得られます。

こちらをダウンロードで試してみると、クラスター分析の感覚がつかめるでしょう。

小売において、特定の広告に反応する可能性の高さに基づいて、各世帯にパーソナライズされた広告やセールスレターを配信する

小売業においては多くの場合、クラスター分析を活用して、互いに類似した世帯のグループを特定しています。

たとえば、小売会社は世帯に関する次の情報を収集する場合があります。

  • 世帯収入
  • 世帯規模
  • 世帯主の職業
  • 最寄りの市街地からの距離

次に、これらの変数を分析に用いることで、次のクラスターを識別できます。

  • クラスター 1: 少人数の家族、高額支出者
  • クラスター 2: 大家族、高額支出者
  • クラスター 3: 少人数の家族、支出の少ない人
  • クラスター 4: 大家族、支出の少ない人

その後、同社は、特定の種類の広告に反応する可能性の高さに基づいて、各世帯にパーソナライズされた広告やセールスレターを送信できます。

この手法の良い点は、顧客のニーズに対してよりターゲットを絞ったアプローチが可能になることです。しかし、一方で、データ収集・分析には時間とコストがかかるため、小規模企業にとってはハードルが高いかもしれません。

また、クラスター分析によるセグメンテーションは、市場の変化に素早く対応する必要があるため、定期的な分析の更新が求められます。これにより、企業は常に最新の顧客動向に対応したマーケティング戦略を展開できるでしょう。

https://blog.leapt.co.jp/what-is-cluster-analysis-an-introduction-to-the-ideas-and-methods-that-can-be-used-in-marketing-analysis

株式会社光翼(ミツバ)では、インド進出支援、インドでのPOSシステム・マーケティングシステム開発を通し、DX・GX推進 を行っております。 😇

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