「核融合産業の企業体、三菱重工など19社が中心に」の日経さんの記事を読んで

今日の 日経さんの「核融合産業の企業体、三菱重工など19社が中心に」という記事 を読んで、核融合について、興味を持ちましたので、調べてみました。

核融合反応って?

A:軽い原子核同士がくっついて、より重い原子核に変わることをいいます。くっついたときにとても大きなエネルギーが出ます。太陽も核融合で燃えています。核融合研究は、地球に小さな太陽をつくって、このミニ太陽からでるエネルギーを利用して電気を起こすことを目指しています。

何と何を反応させるの?

A:太陽は3/4が水素(記号:H)からできています。太陽の中心では、高い温度(1500万度)、高い密度(鉄の20倍:粒子の数がものすごく多い)のなかで、水素が核融合反応を起こしてヘリウム(記号:He)となり、すごく大きなエネルギー(熱や光)を出しています。太陽は地球の約33万倍もの質量をもつ巨大なガスのかたまりです。とても大きいので、核融合反応で水素がなくなるまで50億年もかかるといわれています。地球は、太陽より小さく、太陽のような高い密度を作ることができないので、水素(記号:H)で核融合反応を起こすことは難しいのです。そこでもっと核融合反応が起きやすい重水素(記号:D)や三重水素(記号:T)、ヘリウム3(記号:3He・ヘリウムの同位体)を使います。その中でも最も反応しやすいのは重水素と三重水素です。これをD-T反応といって、近い将来の核融合発電でもこの反応を使います。

なぜ燃料に水素を使うの?

A:太陽などの恒星の中では、水素がヘリウムになる核融合反応が起こって、光や熱を出しています。だから星の燃料は水素ということになります。水素は一番軽い原子核で、もっとも核融合を起こしやすいので、核融合発電所でも太陽と同じように燃料に水素(の仲間:重水素・三重水素)を使います。

海の水からどうやって燃料の重水素や三重水素をとるの?

A: 海の水の0.015%が重水素と酸素がくっついたものです。少ないようだけど、海水はたくさんあるから、重水素も使い切れないほどたくさんあります。三重水素は、重水素に比べてとても量が少ないので、リチウムという物質から作りだします。

リチウムは銀白色の金属で、薬や電池に使われている身近なものです。リチウムも鉱山や海水中にたくさんあります。将来、核融合発電が実現されたときのために、海の水から重水素やリチウムを、よりたくさん取れるようにするために研究が始められています。

プラズマって?

A: 水は0度より低い温度では氷ですよね。0度から100度の間は水。そして100度より高い温度では水蒸気になります。どんな物でもこのように3種類の状態になります。そして氷のような状態を「固体」、水のような状態を「液体」、水蒸気のような状態を「気体」と呼びます。ここまでは皆がよく知っている状態ですね。そして、さらに「第4の状態」があるんです。温度をもっと上げていって超高温(だいたい1万度以上)にすると、原子の中の原子核と電子が離れて勝手に動くようになります。この状態を「プラズマ」といいます。核融合反応をさせるときの燃料は重水素や三重水素といったガスをつかいますが、温度を高くして、分子や原子の状態からプラズマの状態にまずすることが大切です。

私たちの周りでの水素分子の状態(分子の状態で飛んでいます)

プラズマになったときの水素の状態(原子核と電子がバラバラに飛んでいます)

プラズマはどうやってつくるの?

A:1億度のプラズマは、真空容器と呼ばれる金属の容器の中でつくります。最初に真空容器の中の空気を抜いて、何もない状態(真空)にします。それから本当に少しだけ燃料である水素(分子)を入れます。だいたい空気の30万分の1の薄さです。それから加熱装置で水素分子を温めていくと、1万度ぐらいで原子核と電子に分れプラズマになります。もっと温めると、温度は1億度にもなります。

プラズマはどうやって温めるの?

A:プラズマを温める方法には、大きく2種類があります。ひとつは電波を当てて温める方法です。みなさんの家にある電子レンジも電波を使って、いろいろなものを温めていますよね。これと同じ原理です。もうひとつは、高速で走る原子核をプラズマの中に入れて温める方法です。いくつかの方法をうまく組み合わせてプラズマを温めます。

プラズマはどうやって閉じこめるの?

A:プラズマの中では原子核と電子が勝手にものすごい速さで動き回っています。だから何も包み込む物がなかったら、プラズマはどんどん空気の中に逃げてしまって、温度を高めたりすることはできません。どうやってプラズマを閉じこめるかというと、プラズマの原子核はプラスの電気、電子はマイナスの電気を持っていて、電気を運ぶ性質を持っています。だから空気のように決まった形がないのに、銅線のように電気を通すことができます。なんと銅線より電気を通しやすいんです。この電気を通す性質と磁石を上手く組み合わせてプラズマを閉じこめます。プラズマのなかに磁力線を走らせると、この磁力線に原子核や電子が絡みついてくるんです。こうすればプラズマが上や下、右や左へにげていってしまうことはありませんね。ただ、それでも暴れん坊の粒子がいて、磁力線からはずれたり、絡みついている粒子にちょっかいを出して、磁力線から一緒に逃げ出したりします。こういう暴れん坊の粒子を大人しくさせるのがプラズマ制御という研究です。

太陽を閉じこめる装置って?

A:1億度のプラズマを閉じこめるには、磁石の「かご」を使います。プラズマの中の原子核も電子も、磁石からでる磁力線に朝顔のツルのように巻き付いて、からみつく性質を持っています。だから磁石をドーナッツの形に並べると、原子かくも電子もドーナッツにそって、グルグル回って、外ににげ出せないのです。原子核や電子を逃げ出さないようにすることを「プラズマを閉じこめる」といいます。プラズマをうまく閉じこめるために、形のちがう磁石の「かご」がいくつか考えられています。研究所にあるヘリカル型は日本で考えられた「ひねりをいれたドーナッツのかご」の形をしています。

ローソン条件ってなんですか?

A:核融合反応をさせるためには三つの条件を達成しなければなりません。

1)プラズマが約1億度以上の温度になること 
2)1立方センチメートル(1cc)のなかに原子核の数が100兆個以上あること 
3)閉じこめ時間が1秒以上あること。

これをローソン条件といい、核融合研究はこの条件を目標に進めています。この研究所でも一つ一つの記録、たとえば1億度のプラズマを作ったり、密度が1立方センチメートルあたり500兆個という記録は達成していますが、難しいのはこの三つの条件が揃わないと核融合反応がおきないことです。特に閉じこめ時間1秒という三つ目の条件は、逃げていく粒子をどうやって装置のなかに閉じこめておくかという研究になりますが、目に見えない粒子を閉じこめておくのはとても難しく、この1秒を求めてさまざまな研究がおこなわれています。

https://www.nifs.ac.jp/ene/qa/qa_02.html ひらがなを漢字に変換しています。

所感

核融合反応をさせるためのローソン条件の達成が、研究開発のポイントなのですね。
ここに、実現までの時間がかかるのですね!

あと、気になったのは、三重水素を取り出すために、リチウムを使うそうです。

リチウムは、電池でも、重要な物質ですね。

リチウムの埋蔵量が気になったので、調べてみたら、200年分以上ある のですね。
2025年までリチウム需要は供給を上回ると予測されているそうです。

今後のリチウムの生産量が気になるところですね。

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